遺言で出来ることは、どんなことでしょうか。遺言というと、遺産分けのことが頭に浮かびますが、その他にも出来ることがあります。
遺言でしか出来ないこともあれば、遺言でも出来て、かつ生前の行為によっても出来ることもあります。

遺言でしか出来ないこと

1.未成年後見人及び未成年後見監督人を指定すること。

遺言者に未成年の子どもがいる場合、遺言者は自分が亡くなった後に残される未成年者の、後見人や後見監督人を指定することが出来ます。この指定は遺言で行わないといけません。亡くなる前に、指定書のようなものを書いても、それが遺言書の体裁を整えていなければ、有効な指定とはなりませんので注意が必要です。

2.相続分を指定することや指定の委託をすること。

人は、遺言によってのみ、相続分の指定をすることが出来ます。指定がないと、民法に定められた相続分(これを法定相続分といいます。)に従うことになります。よく、妻と子ども二人がいる場合には、妻が4分の2で子どもが各自4分の1ずつである、などと言われますが、これは法定相続分の話です。法定相続分と異なる割合で相続させたい場合には、相続分の指定を遺言で行えばよいのです。また、ある人に、相続分を定めてもらうように委託することも出来ますが、この委託も遺言で行う必要があります。

3.遺産分割方法を指定することや指定の委託をすること。

相続人は、各自の相続分に従って遺産分割協議をすることになりますが、この分割方法を指定することも遺言で出来ます。例えば、ある不動産は配偶者が相続するように指定したり、あるいは、不動産を売却して売却代金を相続分に応じて分配するように指定したりすることが出来ます。また、この分割方法を、ある人に定めてもらうよう委託することも遺言で出来ます。

4.遺産分割を禁止するように指示すること。

遺言者は、遺言者が亡くなった後5年未満の期間内であれば、相続人らが遺産分割をすることを禁ずることが出来ます。この遺産分割の禁止は遺言によってしか出来ません。例えば、遺言者に16歳の子どもがいる場合、すぐに遺産分割協議を行おうとすれば、16歳の子どもの特別代理人を裁判所に選任してもらい、その特別代理人が子どもの代理人として遺産分割協議を行うことになりますが、遺言者はその子ども自身に分割協議に参加してもらいたいと望むのであれば、遺言によって、子どもが成人するまで遺産分割を禁じればよいのです。

5.遺言執行者を指定したり指定の委託をすること。

遺言執行者とは、遺言書に書かれたことを実行する人のことです。例えば、ある銀行の預金をお世話になった人に遺贈するとした場合、遺言者が亡くなった後に、遺言執行者が銀行へ行って払戻しや送金の手続きを行います。この遺言執行者を、遺言者は指定することが出来ますが、この指定は遺言で行わなければなりません。また、この指定を誰か他の人に頼むことも出来ますが、この委託も遺言でする必要があります。遺言執行者は、遺言者が望んだ最後の意思を実現する人ですから、遺言者から信頼されている人が望ましいです。遺言書を作成する場合には、遺言執行者を指定するほうが良いでしょう。

6.遺贈の減殺の方法を指定すること。

遺留分を有する相続人は、自分の遺留分を保全するために遺贈を減殺することが出来ます。そして、この減殺は、原則として遺贈された全ての遺産について効力が及ぶことになります。しかし、それでは遺言者が特定の人に遺贈した意味が無くなる場合もあります。このような場合には、遺言者は、遺言で減殺の方法を指定して、遺留分減殺請求があった場合の事態の収拾を容易にするように出来ます。

遺言でも生前の行為でもどちらでも出来ること

1.認知すること。

通常、認知は生前に行われることが多いでしょうが、遺言によっても認知することができます。生前に認知すると親族間の感情的対立が激化する恐れがある場合で、遺言者が認知することを望んでいるときは有効でしょう。

2.推定相続人を廃除したり廃除を取消したりすること

推定相続人が被相続人に対して虐待をしたり重大な侮辱をしたりした場合は、被相続人は生前に家庭裁判所に対して、その推定相続人の廃除を請求することが出来ますが、この廃除の請求は遺言によっても出来ます。また廃除を取消すことも、生前行為でも遺言でも、どちらでも出来ます。虐待者を生前に廃除すると、その虐待者からさらなる虐待を受ける恐れがある場合などでは、遺言による廃除の請求が良いかもしれません。

3.財産を処分すること

財産の処分というと、通常は生前に行う売買とか贈与とかを思いつきますが、遺言によって財産を特定の人に渡すことも出来ます。これを遺贈といいます。遺贈の相手方は他人でも相続人でもかまいません。ただし、遺留分の規定に違反することは出来ませんが、この違反した遺贈も即座に無効となる訳ではなく、遺留分を侵害された相続人が遺留分減殺請求をした場合にのみ、遺留分を侵害した遺贈が認められなくなるだけです。

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