遺産の中に、土地、家屋などの不動産があった場合、相続登記をする必要があります。相続登記とは、不動産の所有者の名義を被相続人から相続人の中で不動産を相続した人に変更する為に行う手続きのことです。

不動産を相続した時に相続登記が必要な理由

相続は被相続人が亡くなった時点で開始する為、相続登記をしなくても不動産の所有権は自動的に相続人に移ります。
そして相続登記を済ませなくてはならない期限は定められていませんので、相続登記をせずに放置しておくこともできるのですが、相続登記をしないと登記簿上の名義が変更されない為、不動産を売却する事や相続した不動産を担保に銀行から融資を受けることができません。
不動産を売却したり担保に入れたりする必要がない場合であっても、数年後に相続人の中に亡くなり、相続人の人数が増える、家庭の事情が変わり不動産を売却して分割した遺産を相続したいと希望する人が出るなど、相続人のそれぞれの事情が変化した場合、相続登記をしていなかった為に相続人の間でのトラブルに発展してしまうこともあります。
従って、相続登記は相続が開始した後早めに済ませておくことが、不動産に関わるトラブルを避けることに繋がります。

相続登記の種類とそれぞれに必要な書類

相続登記には、法定相続分に従って不動産を相続する場合の相続登記と、遺産分割協議によって決定した内容に従って遺産が分割され不動産を相続した場合の相続登記、遺言書の指示に従って遺産が分割され不動産を相続した場合の相続登記があります。

≪法定相続分に従って不動産を相続する場合の相続登記≫

法定相続分に従って不動産を相続する場合の相続登記の概要
法定相続分とは民法が定める相続分のことです。
被相続人に配偶者と子がいる場合には、配偶者と子、配偶者が亡くなっている場合には子、子がいない場合には、配偶者と被相続人の両親、被相続人の両親が亡くなっている場合には被相続人の兄弟姉妹というように、相続する優先順位が定められている他、相続分も定められています。相続が開始し遺産分割が行われるまでの間は、遺産は相続人の共有財産となりますので、この状態において相続登記を行おうとすると、法定相続分に従った登記を行うことになります。

必要な書類

  1. 登記申請書
  2. 被相続人が生まれてから死亡するまでの戸籍謄本(除籍・改製原戸籍・現戸籍)
  3. 被相続人の本籍地の記載のある住民票の除票
  4. 相続人全員の戸籍謄本
  5. 不動産を取得する相続人の住民票の写し
  6. 相続不動産の固定資産税評価証明書
  7. 代理人により申請する場合には相続人の委任状
  8. 戸籍謄本、除籍謄本等の原本還付を受ける場合には、相続関係説明図

≪遺産分割協議に従って遺産が分割され不動産を相続した場合の相続登記≫

遺産分割協議に従って遺産が分割され不動産を相続した場合の相続登記の概要
遺産分割協議とは、遺言書による遺産分割方法の定めがなり場合において、相続分に従い遺産を各相続人が分割するための協議のことです。
遺産分割協議を始める前には相続人と相続財産を確定する必要がありますので、被相続人の出生から死亡までの戸籍、除籍、改製原戸籍を取り寄せて相続人全てを探し出し、不動産、株券、預貯金、美術品などすべての相続財産をリストにし、相続人全員で協議をし、相続財産を分割します。
相続が開始され遺産を分割する前は相続人全員が遺産を共有している状態である為、相続人全員が共同で相続登記の申請をし、遺産分割協議がまとまりそれぞれの相続財産が決定した時点で持分移転の登記の申請を共同で行なうことになっていますが、遺産分割協議がまとまらない場合でなければ、ほとんどの場合相続人全員が共同で相続登記をする共同相続登記はスキップして、被相続人から不動産を相続した相続人に名義が変更される所有権移転登記をそれぞれの相続人が行います。

必要な書類

  1. 登記申請書
  2. 被相続人が生まれてから死亡するまでの戸籍謄本(除籍・改製原戸籍・現戸籍)
  3. 被相続人の本籍地の記載のある住民票の除票
  4. 相続人全員の戸籍謄本
  5. 不動産を取得する相続人の住民票の写し
  6. 相続不動産の固定資産税評価証明書
  7. 代理人により申請する場合には相続人の委任状
  8. 戸籍謄本、除籍謄本等の原本還付を受ける場合には、相続関係説明図

A)遺産分割協議書
B)相続人全員の印鑑証明書
C)遺産分割協議がまとまらず、家庭裁判所の調停や審判に従って遺産分割をした場合には調停調書又は確定証明書付き審判書の謄本

≪遺言書に従って遺産が分割され不動産を相続した場合の相続登記≫

遺言書とは亡くなった人が遺産の分割方法や遺贈などを指示する証書のことで、相続手続きにおいて際に最も優先されます。
従って相続権を有しない人であっても遺言書に遺贈の旨が記載されていれば、遺産を受け取ることができます。
遺言書は、公正証書遺言であればあまり問題は生じませんが、自筆証書遺言は要式に合致しないことにより効力が認められないこともあります。もし効力が認められないと、遺言は無効ということになり、その遺言書に従って登記することはできません。

必要な書類

  1. 登記申請書
  2. 被相続人が死亡した旨の記載のある戸籍謄本(除籍)
  3. 被相続人と遺言により遺産を取得する相続人との関係がわかる戸籍謄本(除籍・改製原戸籍・現戸籍)
  4. 被相続人の本籍地の記載のある住民票の除票
  5. 遺言により遺産を取得する相続人の戸籍謄本
  6. 遺言により遺産を取得する相続人の住民票の写し
  7. 相続不動産の固定資産税評価証明書
  8. 代理人により申請する場合には相続人の委任状
  9. 戸籍謄本、除籍謄本等の原本還付を受ける場合には、相続関係説明図
  10. 遺言書(自筆証書遺言の場合には検認を経たもの)

その他の書類が必要となる場合
上記の必要書類に加えて、他の書類も必要になる場合があります。

≪特別受益者がいる場合≫

特別受益とは、相続人が被相続人から受けた特別な利益のことを言います。
結婚のお祝いとして新居を建ててもらった、新しい事業を始めるので資金を提供してもらった、長期海外留学の費用を出してもらったなど、他の相続人が受けていない特別な利益を被相続人から受けていた相続を特別受益者と言い、特別受益者と他の相続人との不公平をなくす為に特別受益制度というものがあります。
これは特別受益者が受けた特別受益を相続財産に加算した上で遺産分割をするという制度です。
ただし、被相続人が遺言に特別受益を戻す必要はないという旨を書き記してあった場合には、特別受益の持戻しの免除となり、通常の遺産分割が行われます。
必要な書類

  1. 特別受益者が作成した特別受益証明書
  2. 特別受益者の印鑑証明書

≪相続放棄した人がいる場合≫

相続放棄をすると、その人は相続の開始から相続人とならなかったことになります。相続放棄をする相続人は、相続開始後3か月以内に家庭裁判所に相続放棄の申立をする必要があります。
相続する財産のほとんどが負債で、相続をすると相続人の生活が破たんしてしまうような場合だけではなく、相続人の中の特定の相続人が様々な事情により相続を放棄することもあります。
必要な書類

  1. 家庭裁判所が発行した相続放棄申述受理証明書

≪相続欠格者がいる場合≫

相続欠格者とは被相続人や相続の順位の上の相続人や同等の相続人を殺害した、殺害しようとした、自分の利益になるよう騙したり、脅迫したりして遺言書の内容を変更させたなどの犯罪行為によって相続人としての資格をはく奪された者のことを言います。
必要な書類

  1. 確定判決の謄本、欠格者自身が作成した証明書や印鑑証明書など欠格を証明する書類

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