遺産相続は、一生のうちで何度も遭遇することではありません。普通の生活をしているほとんどの方は、いつかは起こるかもしれないけれど、今ではないと考えていらっしゃるのではないでしょうか?確かに今すぐには起らないことであり、身内の不幸と直結することなので向かい合いたくない問題ではありますが、いざという時に慌てないようにする為、トラブルにならないようにする為には、遺産相続に対する基礎的な知識を持っておくことが大切です。

1. 相続人と相続の順位について

439_1

相続人とは、亡くなった人の遺産を相続することが法的に認められている人のことで、被相続人の家族構成、被相続人との関係によって相続する権利の順位が決まります。
相続で最も優先順位の高い相続人は配偶者と第一順位である子です。

≪第一順位は被相続人の子≫

一般的な家族の場合であれば、被相続人の配偶者と被相続人の子が被相続人の遺産を相続する権利のある相続人となります。被相続人の子とは、配偶者との間にできた子だけではありません。

認知されている非嫡出子や養子縁組をした血縁関係のない子も同等の権利を持つ相続人として認められます。被相続人の配偶者と被相続人の嫡出子が相続をする場合には、特別な遺言がない限り家族だけでは解決できないような複雑な問題は起りにくいのですが、非嫡出子や養子がいる場合、子がいない夫婦の場合には状況が変わることがあります。特に、家族に知らされていない養子縁組をした子供や、非嫡出子がいた場合には、遺産相続が複雑になってしまうことがあります。

≪第二順位と第三順位は被相続人の血縁関係にある家族≫

被相続人に子がいない場合には、配偶者と第二順位である被相続人の父母、被相続人の父母がいない場合には祖父母、被相続人に父母、祖父母がいない場合には、配偶者と第三順位である被相続人の兄弟姉妹、被相続人の兄弟姉妹がすでに亡くなっている場合には、被相続人の兄弟姉妹の子が代襲相続人としての権利を持ちます。

被相続人の父母の持つ相続の権利は、父母がなくなっている場合には祖父母、層祖父母と代襲相続されますが、被相続人の兄弟姉妹がすでに亡くなっている場合でも、被相続人の兄弟姉妹の子までしか代襲相続はされません。

第二順位、第三順位の相続人が相続をする場合、被相続人とその配偶者が、被相続人の父母や兄弟姉妹が疎遠であったにも関わらず、相続の権利を主張され、残された配偶者の生活が脅かされることになるというようなケースもある為、第一順位の相続人が相続をする場合よりも、トラブルがおこりやすくなってしまいます。

また、相続をする人が配偶者と子だけの家族や、被相続人の父母や兄弟姉妹といった血縁関係にある人だけが相続をする場合以外に、その家族に養子縁組をした子供や、被相続人に家族の知らない非嫡出子がいた場合には、遺産相続が複雑になってしまうことがあります。

2. 法定相続分の割合について

439_2

法定相続分とは、民法に定められている相続する遺産の配分割合です。被相続人が法的に効力のある遺言に遺産の分割方法を記していた場合には、その分割方法が優先されますが、遺言がなかった場合や、遺言書はあったものの法的に効力を持たない遺言であった場合には、法定相続分に従って相続することとなります。

≪配偶者と第一順位の被相続人、又は第一順位の被相続人だけの法定相続分≫

配偶者と子で2分の1ずつ相続し、子が複数いる場合は子の相続分を子の数でさらに割り、また配偶者がすでに亡くなっている場合には、全ての遺産を子が相続します。子は、養子であっても、認知されている婚外子であっても、嫡出子と同じ割合で遺産を分割される権利を持っています。平成25年の法改正以前は非嫡出子は嫡出子の2分の1でしたが、現在では平成25年9月5日以後に開始した相続については平等に分割することと定められています。

≪配偶者と第二順位の被相続人の法定相続分≫

被相続人に子がいない場合、又は子が先に亡くなっている場合には、配偶者が3分の2、被相続人の父母が3分の1の割合で相続します。被相続人の父母がなくなっている場合には、祖父母、層祖父母と相続することとなりますが、法定相続分の割合は変わりません。配偶者も亡くなっている場合には、被相続人の父母が全ての遺産を相続します。

≪配偶者と第三順位の被相続人の法定相続分≫

被相続人に子がいない、又は子が先に亡くなっていて、父母も亡くなっている場合には、配偶者が4分の3、被相続人の兄弟姉妹が4分の1の割合で遺産分割をします。被相続人の兄弟姉妹が亡くなっている場合には、被相続人の兄弟姉妹の子(被相続人にとっての甥や姪)に相続する権利が移りますが、法定相続分の割合は変わりません。配偶者も亡くなっている場合には、被相続人の兄弟姉妹が全ての遺産を相続します。

3. 相続税について

439_3

相続税とは、相続した遺産に対して発生する税金のことです。遺産の額が基礎控除額より多い場合には、相続税の申告をする必要があります。平成27年から法改正に伴い、相続税の算出方法が変わり、二億円を超える遺産には法改正前より5パーセント多い45パーセント、六億円を超える遺産には法改正前より5パーセント多い55パーセントの税率がかかるようになりましたが、相続税の基礎控除額は、3,000万円+法定相続人の数×600万円ですので、遺産の額が3,000万円より少ない場合には、相続税は発生しません。例えば、配偶者と子供2人で遺産相続する場合には、3,000万円+(3×600万円)=4800万円という額が控除されるからです。

4. 法定相続分以外の遺産分割の方法

法定相続による相続は、全ての遺産が全ての相続人間で共有することとなってしまい、特に不動産や株式、保険等の場合に不都合が生じてしまうことがあります。
法定相続以外の相続分を定める方法として、被相続人による法的に効力のある遺言に従って遺産分割する方法、遺産と相続人全員の協議によって決められた割合で遺産分割する方法があります。

439_4

≪遺言による遺産分割≫

被相続人が亡くなる前に遺言書を作成していた場合、遺言書に記された遺産分割の方法が最優先されます。ただし遺言書の書式に不備があり法的な効力を持たない場合もありますので、事前に専門家に相談することをお勧めします。

≪遺産分割協議による遺産分割≫

家族の事情により、法定相続分とは違った割合で遺産を分割したい場合や、遺言書の内容に相続人全員が反対であった場合などには、相続人全員で遺産分割協議を行い、遺産分割の割合を決定します。

5. 相続放棄をする必要のある遺産について

Human hands rejecting an offer of money

遺産には、土地や家屋、美術品など、プラスの遺産だけではなく、被相続人の借金の返済や、被相続人が引き受けた借金の連帯保証人などといった負の遺産も含まれています。そのような負債が多額であった場合、相続人の生活を脅かすような事態にならないよう、相続を放棄することができます。

相続は被相続人が亡くなった瞬間から、自動的に開始しますので、もし何も手続きをしないでいると、負の遺産も相続することになってしまいます。相続放棄は、相続が開始されてから原則として3か月以内に家庭裁判所に相続放棄の申し立てをする必要があります。

東京・神奈川周辺の司法書士へ問い合わせ

045-439-5274

※管理者がご相談内容、地域に応じて、最適な司法書士をご紹介します。

関連記事

東京・神奈川周辺の
司法書士へ問い合わせ

045-439-5274

※管理者がご相談内容、地域に応じて、最適な司法書士をご紹介します。
ページ上部へ戻る