相続は、人の死亡によって開始しますので、相続手続も、人の死亡後に行うことになります。

人の死亡により、その人の有していた財産(相続財産といいます)は、まず相続人全員の共有となります。この共有状態においては、相続人のうちの一人が、相続財産を勝手に処分したり変造したりすることは出来ません。では、相続人が自由に相続財産を処分するためには、どのような手続が必要でしょうか。それは、遺産分割です。この遺産分割とは、相続人全員の共有である相続財産を、具体的相続分に従って各相続人に分配することです。ちなみに、具体的相続分とは、法定相続分(法律に定められた相続分)を基準として、遺言による指定や特別受益・寄与分の計算などを経て決まる相続分のことです。遺産分割は、一般的には相続人全員の協議により行われますが、協議が整わない場合もあります。そのような場合には、家庭裁判所で調停や審判により遺産分割が行われることになります。

遺産分割により、相続財産が各相続人に分配された後に、相続人は、自分が取得した相続財産の名義変更などの手続きを行うことになります。例えば土地や建物のような不動産の場合には、法務局へ相続による所有権移転登記申請を行う必要がありますし、預貯金や投資信託や株など金融資産の場合には、金融機関へ名義変更や解約の手続きを行う必要があります。車や船舶であれば所管官庁への届出が必要ですし、水道やガスなどの公共料金の名義変更手続きも必要です。また、霊園や墓苑などの名義変更手続きも必要です。

相続手続は、人の死亡後に行う手続きなので、生前に行うことは出来ません。時々、人がお亡くなりになる前に、将来に備えて事前に遺産分割協議をしたいという人がいますが、前述のとおり、遺産分割とは、相続人の共有である相続財産の分配手続きですので、人がお亡くなりになる前に出来るものではありません。あらかじめ、相続人となるべき人たちで、将来に備えて何らかの取り決めを行うことは自由ですが、その取り決めは正式なものではありません。必ず、相続開始後に手続きを行う必要があります。ところで、相続税の節税対策などは生前に行いますが、この節税対策などは相続手続ではありません。相続手続とは、あくまで相続財産に関する手続きのことです。

なお、遺産分割を行うと、相続を承認したことになりますので、お亡くなりになった人の負債も引き継ぐことになります。いそいで遺産分割協議を行い、各相続人がそれぞれ土地や建物などを取得した後、数ヶ月たって莫大な請求書が届いたというケースもあります。もし、故人の負債が大きい恐れがある場合などは、いそいで遺産分割するのではなく、しっかりと遺産の調査を行い、場合によっては相続放棄などを検討する必要もあります。この相続放棄なども、相続手続の一種ともいえるでしょう。

相続手続は、一般的に複雑で思わぬ落とし穴があったりします。少しでも不安を覚えるようなら、事前に法律の専門家に相談することをお勧めします。

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