法的に効力のある遺言書を作成するためには、民法に定められた方式に従って作成する必要がありますが、その前の大前提として、遺言書を作成するためには、その人に「遺言能力」が必要です。
では、「遺言能力」とは、どのようなものでしょうか?
簡単に言えば、「遺言の内容と結果を理解できる能力」のことです。
例えば、言葉を覚えたばかりの三歳児に遺言能力はありませんし、こん睡状態や泥酔状態の人にも遺言能力はありません。では、学校で学年トップの成績を誇る中学二年生(14歳)はどうでしょう?また、家庭裁判所により保佐人が付けられた被保佐人(軽度の精神障害や軽度の認知症を患っている人など)はどうでしょう?


以下の全てを満たす人に、遺言能力が認められます。

1.自分の行為の性質と結果を理解できる人

上に挙げた、こん睡状態や泥酔状態の人は、何か行為を行ったとしても、その行為の性質やその結果を理解できませんので、そのような人には遺言能力はありません。

2.満15歳以上である人

残念ながら、上記の学年トップの成績を誇る中学二年生には、遺言能力が認められません。人は、生まれた後、自分の行為の性質と結果を理解できる能力を、徐々に身につけていきます。ただ、精神の発達具合は人それぞれですので、13歳で十分身につく人もいれば14歳で身につく人もいます。遺言は厳格な要式行為であり明確な基準が要求されるため、日本においては法律で、満15歳以上でなければ遺言することが出来ないと定められています。

3.成年被後見人でない人

判断能力が極端に低下したことにより、家庭裁判所から後見開始の審判を受けた人(成年被後見人といいます)は、遺言能力がありません。(ただし、下記のとおりの例外はあります。)
それ以外の人は、上記1の「自分の行為の性質と結果を理解できる人」であれば、遺言能力が認められています。家庭裁判所から保佐開始や補助開始の審判を受けた被保佐人や被補助人は、遺言をすることが出来ないのではないかとお考えの方もいますが、遺言は遺言者の最後の意思を尊重するものなので、「自分の行為の性質と結果を理解できる人」であれば、被保佐人や被補助人でも、何の制約なしに遺言をすることが出来ます。一般の取引においては、被保佐人の行為には保佐人の同意が必要とされたり、保佐人の同意無しに行われた被保佐人の行為については、保佐人に取消権が認められますが、遺言に関しては、そのような制約は何もありません。


成年被後見人であっても、遺言能力が認められる場合があります。

判断能力が著しく低下したことにより、家庭裁判所から後見開始の審判を受けた成年被後見人であっても、一時的に判断能力を回復する場合もあります。そのような場合において、医師二人以上の立会いがあれば、成年被後見人でも遺言をすることが認められてます。ただし、立ち会った医師は、遺言書などに、成年被後見人が能力を欠く状態になかった旨を書いて署名する必要があります。

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